カルチュラル・タイフーンでの「C.A.P.ツアー」のご報告

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    みなさんこんにちは。カルルチュラル・タイフーン2011ブース・パフォーマンス部門担当の藤墳智史です。カルタイから1週間以上が経ちました。当日は多くの方が足を運んでくださり、本当に嬉しい限りです。ありがとうございました。

    カルタイでは多くの方の協力で成功を収めることができましたが、特に共催団体のみなさんには、準備段階から当日に至るまで多方面でご協力をいただきました。カルタイ当日には共催団体との共同企画もいくつかあり、ご参加くださった方も多いと思います。さて今回は、それらの共催企画の中から、カルタイ2日目の7月24日にC.A.P.(芸術と計画会議)との共催企画として行われた、「C.A.P.ツアー」について報告をさせていただきます。

    C.A.P.さんは会場となった「旧国立神戸移民収容所」が改修されて「海外移住と文化の交流センター」となる以前から、この場所でアートに関わる様々な試みを行ってきました。「海外移住と文化の交流センター」発足後も、施設の管理団体の1つとして活動を続けています。オープンアトリエでは多くのアーティストの方が活動をされていて、製作と交流が一体となった空間が作られています。今回のツアーではC.A.P.代表の下田展久さんに館内を案内していただきましたが、建物の歴史とC.A.P.さんの活動の蓄積を見る良い機会となりました。 

    移住者の落書きが残されている3階のギャラリー3からツアーがスタート。3階では主に改装以前の館内の状況や、その時期のC.A.P.さんの活動の内容が話題の中心となりました。移民収容所、看護学校、海洋気象台として使われた経緯を経て、C.A.P.さんが活動を始められた当初の状況や、改装後の今でも残る様々な用途で使われてきた歴史の名残、あるいは歴史ある建物を工夫して使いながら展開されてた様々な展示やプロジェクトについて、下田さんからお話をしていただきました。

    まずはアニメーション作家の相原信洋さんが最近まで使われていた305号室へ。相原さんは残念なことにこの4月末に旅先で亡くなられましたが、近いうちにこの場所を使った展示が企画されているようです。


    ↑海洋気象台時代に海図を収めていたケースが残されています。


    ↑3階の共同アトリエでの一コマ。ここで活動されているアーティストの方の紹介、作品について下田さんから説明をしていただきました。


    ↑3階から4階へ移動する際の様子です。建物の改修前に、階段の箇所を使って展示が行われたことがあったそうです。

    さて、4階に移動してからはアトリエを訪問しながら、アーティストのみなさんの作品や最近の活動、近々の個展などについて紹介をしていただきました。各アトリエではアーティストの方とツアー参加者のみなさんとの間での会話が弾む場面も。



    ↑日本画家の井ノ岡里子さんと。相楽園で「寝転がる」企画についても紹介をしていただきました。



    ↑藤川怜子さんと。製作中の作品を見せていただきました。



    ↑井階麻未さん。色鉛筆や水彩絵具など、子どものころに使われていたような画材を使った作品を制作されています。1階のカフェの作品をご覧になった方も多いと思います。



    ↑築山有城さん。主に彫刻を制作されています。最近は色々な素材を「磨く」ことを手掛けているそうです。7月末のアート林間学校ではステンレスを磨く企画をされるということでした。



    ↑4階フリースペースの「CAPリビングルーム」展を企画された坂井良太さんと。



    ↑澤田摩耶さんの製作中の作品。もとのカンバスから段々と別の物へと変化していきます。



    ↑山村幸則さんのアトリエにて。相楽園の庭師の方と共同で行われた企画など、これまでの記録を拝見しつつ、詳細な説明もしていただきました。


    ↑桜井類さんのアトリエには、ちょうど製作中のところをお邪魔しました。


    別館では昼食を提供していただくなど、お忙しい中にもかかわらず、C.A.P.のみなさんには快くツアーを受け入れてくださいました。また、ブース・パフォーマンス部門の運営にも多大なご協力をいただきました。ありがとうございました。

    神戸新聞のWEB版にカルチュラル・タイフーン2011の記事が掲載されました!

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      神戸新聞のWEB版にカルチュラル・タイフーン2011の記事が掲載されました!
      よろしければご覧下さい!

       http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/0004319300.shtml


      WEB・ツイッター担当 市野

      実行委員長挨拶/カルチュラル・タイフーン2011実行委員長 小笠原博毅 Acknowledgment by Chair of the Organising Committee 

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        先週末の出来事を、いまだに言葉にして表現することができません。

        自分で参加したパネルや、見させていただいたブースについては何が起きていたのかを書くことはできるでしょう。しかし、カルチュラル・タイフーンとしての二日間を端的に、このような文章にどのようにまとめればいいのか、皆目見当がつかないのです。あまりにも雑多で、しかしどこかでなんとなく一貫性があるような、ないような。この、歴史を記憶している古い建物のそこかしこで小さな台風が渦を巻き、スタッフを務めてくれたとある学部生の言葉を借りれば、「来てみて、僕の中に波風が立ちました」という状況が、同時発生していたのでしょう。期待と失望、知的興奮と退屈感、今後へのつながりが生まれた瞬間とその場限りのむなしいやり取り。研究報告、意見表明、アート展示、ボディ・パフォーマンス、食事やスナックにコーヒーとビール。それらのただなかで、そしてそれらをめぐって幾度となく交わされた歓待の、対立の、共鳴のコミュニケーションの総体が、カルチュラル・タイフーンとなったのです。

        そして謝意を。怪我も病気も大きな事故も起こさずこのカルタイに参加してくれたすべての皆さん。とくにパネル、ブース、グループワークを作り上げてくださった参加者の方々に。素晴らしいパフォーマンスで唯一無二のカルタイにしてくださった、劇団「どろ」の上演者の皆さんに。また後援と助成をいただいた神戸市諸機関の皆さんに。博物館ツアーを通じて、センターにしみ込んだ歴史の重みを教えて下さった日伯協会さんに。昼食を提供し、アトリエ・ツアーをして下さっただけではなく、機材の貸与など数々のわがままを聞いて下さったC.A.P.のみなさんに。CBKのみなさん、「子供のことを考えてください」、「外国人はちゃんと参加できるんですか」という松原代表の言葉によって、今年のカルタイの軌道が決まりました。忌憚のない言葉と事務所でいただく一杯のブラジルコーヒー。厳しさと胸にしみる優しさに、感謝いたします。そして井上さんを始めとする神戸市立海外移住と文化の交流センターのスタッフのみなさん。「金がなければ知恵を出せ」、「準備8割、本番2割」。心強いバックアップを本当にありがとうございました。そしてみなさん、今後もよろしくお願いします。

        フェアウェル・パーティの席上で、メイン・パネルにお呼びしたパネリストのお一人に声をかけていただきました。「あなたのやりたかったことができたんじゃない?」と。主婦、会社員、参加した学生のご家族、大学にも特定の団体にも関係のない一般市民の方々が多く参加していることを指してです。その方はカルチュラル・スタディーズに対する厳しい批判者でもあるのですが、まず彼が来て下さったことが、そしてイヴェントの意義を主催者と同じ目線で理解して下さったことが、何にも代えがたい経験なのです。意見や立場の違いを残したままの時空間を共有できたとき、カルタイ「発生」の条件は整うのですから。
         
        多くの皆さんから、実行委員会事務局スタッフへのお誉めの言葉をいただきました。代表して感謝申し上げます。学部生、院生、そして自由人からなるこのクルーは、カルチュラル・タイフーンの風を受けるマストであり、航路を決めるコンパスであり、針路を修正する舵でありました。暴風雨と大時化の海を掻い潜りながら、逆にタイフーンのエネルギーを享受して突き進む、創造力あふれるクルー・スピリットを体現してくれました。ありがとう。

        私たちのボートはどのくらいrockされたでしょうか?そこから立った波風はどこの誰にたどりつくのでしょうか?

        ここからが本当の航海です。
        Sail on!


         

        カルチュラル・タイフーン2011実行委員長

        小笠原博毅


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        I cannot find a word to describe what happened last weekend.

        Yes, I could find myself explain about the panels I took part in and booth exhibitions I was looking at. However, I cannot find a way to write something in a statement of this kind after those days’
        experience. It was too diverse and, I dare say, too profane to fully sum up in a short description. It left participants wonder if there is coherence in the programme or not. I can only say that tiny typhoons were spawned here and there at the every corner in that old building that memorised many scratches of histories. As one of the staffs remarked, ‘having come to the typhoon, my mind was rocked’, there must have been many similar petit typhoons wondering around, I believe. But this is still not enough, not sufficient to tell you exactly what happened. One of the reasons why it’s so difficult may be because this typhoon is a mongrel entity in which variety of communications, whether convivial, polemical or re-percussioning, was exchanged in panels, booths, group works and body performance, in rooms and corridors, or over meals and snacks, coffee and beer. Expectation and disappointment, intellectual excitement and boredom, and productive for future and momentarily hollow, both took place simultaneously. This anomaly is the essence of Cultural Typhoon, I guess.

         

        Nothing but acknowledgement must be put here in a proper mode. My acknowledgement primarily goes to all those who participated in this event without injury, sickness and major accident; to all those thankfully created panels, booths and group works together in particular; to Theatrical Group ‘Doro’, who made it such a special one; to Kobe City and affiliated organizations for their nominal as well as financial support; to Associação Nipo-Brasileira for taking care of museum tours to which all the participants were invited to experience the deep connection of emigration with the centre; to C.A.P. and its associates for catering, organising atelier tours, and lending essential equipments; to CBK for their critical guidance and a warm cup of Brazil coffee, and particularly to Marina Matsubara for her words of wisdom that made us sure that the typhoon was to be designed as equally enjoyable for kids and foreigners alike; to Kazuo Inoue and the staffs of the centre. I thank you all for your respectful back-ups and support, and friendship. We’ll be back, and collaborate something together once again for more exciting endeavour.

         

        At the farewell party, one of the guests of main panels said to me, ‘you’ve done what you’d been longing for, right?’ What he meant was to host an opportunity where people outside academia join together to exchange their views and opinions on free and fair condition. So it was, yes. Although he is known as one of those sever critiques of cultural studies, his words reached at me and made me realise that the fact that he was there with us, and also that he understood significance of this event from the same angle as us, the organising committee was exceptionally important. This is a profoundly unique experience, which tells us what Cultural Typhoon is designed for. That is, we surely share the same time and space with keeping our difference of opinion and stand-point intact. Then, racking occurs.

         

        I am truly grateful that many gave praise to the organisng committee members and their work. On behalf of the committee, I thank them for that too. The crew of the committee consisted of undergrads, postgrads, and freemen and freewomen. They are literally a crew who act as a mast that takes the wind of the typhoon on, as a compass that navigates direction, and as a rudder that steers and alters the route. Surviving somehow between the devil and the deep blue sea, and rather enjoying the force of typhoon, they embodied a creative and imaginative crew spirit.Thank YOU very much.

        How much was our boat rocked in the end?

        Where do winds and waves reach at the end of the day?

        A real voyage starts here.

        Sail on!

         

        Hiroki Ogasawara

        Chair of the Organising Committee for Cultural Typhoon 2011

         


        <来場御礼>カルチュラル・タイフーン2011 in 神戸を終えて

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          スタッフの横山 純です。

          7/23,24の2日間、海外移住と文化の交流センターにて開催された、
          カルチュラル・タイフーン2011 in 神戸は無事に2日間の日程を終えることが出来ました。
          ご報告が遅くなりまして申し訳ございません。お詫び申し上げます。

          2日間、スタッフ、発表者、ブースへの出展者を含め、500人以上の方々に来場して頂けました。
          暑い中ご来場ありがとうございました。心から御礼を申し上げます。
          来場して頂いた皆様にとって学術、表現方法の領域を超えた、
          新たな出会いの「ホットスポット」になっていれば、
          カルチュラル・タイフーンの目的は達成されたも同然です。
          皆様にそう感じて頂けていることを心から願っております。

          発表者、出展者、出演者のみなさま本当にお疲れ様でした。
          それぞれの形の研究するフィールドや表現方法は違えども、
          何かしらの共通言語、共通認識、共通の社会への問題意識があり、
          初対面であっても、それらを共有し、議論や対話ができるという事、
          そして、そのような空間から生まれる可能性を、
          実感して頂けたのではないかと思っております。
          それぞれのフィールドで切瑳琢磨し、
          またこの航路のどこかでお会いできるのを楽しみにしております。

          次回2012年のカルチュラル・タイフーンは広島で開催される予定です。

          その広島大会をよりよいものにするために、
          今回のカルタイでの、皆様の気付きを教えていただきたく存じます。
          ツイッターを使われている方は、ハッシュタグ #ctkobe
          もしくは http://www.twitter.com/CulturalTyphoon
          までご感想や気付きを教えていただきたく存じております。
          メールなら、 info@cultural-typhoon.com まで。
          このブログのコメント欄でも結構です。
          何卒よろしくお願い致します。

          カルチュラル・タイフーンは研究者や表現者たちの集合地点であり出発点です。
          社会や文化を批判的に読み解き、実践して行く場所です。
          今回も2日間、準備を含めると半年以上の時間をかけ、
          スタッフや発表者や来場者がその文化の土壌を耕し、種を撒きました。

          その「ジャック」達が撒いた種が、
          知的な養分を吸収し、芽を出し、葉を付け、
          この夏空に向かってぐんぐん伸び、
          来年の広島大会まで届くまでは、
          まだまだ皆さんの力添えを必要としています。
          どうか、この2日間で見つけた知的な出会いを、
          また違う場所で育んで頂きたいとスタッフ一同心から願っております。

          実行委員長、事務局長をはじめとする、カルタイ関係者、スタッフのみなさま、本当にお疲れさまでした。学部生、院生、社会人、教員といった立場関係なく全員が全力を尽くして取り組めたということ、そして、皆様の強力なサポートがあって初めてここまでのイベントが出来たと、終えて改めて実感しております。本当にお疲れさまでした。

          最後になりましたが、共催団体の財団法人日伯協会さま、NPO関西ブラジル人コミュニティCBKさま、NPO芸術と計画会議さまには会場協力だけでなく、共催プログラムでのご協力、さまざまなアドバイスを頂き誠にありがとうございました。海外移住と文化の交流センターの職員の皆様、川崎コーポレーションの皆様にも本当にお世話になりました。

          この大会を後援して頂きました神戸市のみなさま、財団法人神戸市民文化振興財団のみなさま、そして、神戸国際協力交流センターの助成のご協力、本当にありがとうございました。みなさまのおかげで、広く市民の皆様にイベントをお知らせできたと共に、財政面でも安心して運営を進める事ができました。学者、学生以外の一般の神戸市の市民のみなさまにも多数来場して頂くことができました。神戸市の歴史ある場所で開催されたイベントとして、市民の皆様にとっても意義のある2日間であったのではないかと思っております。

          次回2012年のカルチュラル・タイフーンは来年夏に広島で開催される予定です。
          文化台風一過、また暑い夏が始まります。
          皆様の航路が安全である事、そして、波乱に満ちた航海である事を祈っております。

          それでは、また広島でお会いしましょう。

          Boa viagem!

          横山 純


          共在の場を考える研究会の稲津さんからPR記事をいただきました!

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            ブログ担当の市野です。



            神戸・長田についてのトークをおこなわれる、共在の場を考える研究会の

            稲津さんからPR記事をいただきましたので紹介いたします。

            稲津さんたちは4階のギャラリー2にて、展示もおこなわれております。


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            こんにちは。稲津秀樹といいます。

            ふだんは大学院生をやっていますが、明日と明後日は神戸・長田(ジモト)の出身者として、あるいは阪神淡路の震災を同地で経験した者の一人として、参加したいと思っています。


            今回のカルタイでは、神戸の「長田」をフィールドとしたトークセッションを、24日(日)10時30分―12時30分(4Fギャラリー2のブース)の時間帯に開催します。

            タイトルは「まちかどの記憶とその記録」。

            当日は、「長田」をフィールドワークされてきた関西圏の優秀な若手(研究者)の方々にお越し頂いて、同地で生きてきた(いる)さまざまな移住者の人びとの記憶についてじっさいの地図をみながら、ご報告いただくことがメインになります。

            また、カルタイの企画委員であり、岡山を舞台に『朝鮮学校ダイアローグ』という企画にも携わる川端浩平さんにもお越しいただき、議論したいと思っています。


            でも、そうしたことに何の意味があるのでしょうか?ここでは、企画のオーガナイズに携わった私自身の個人的な関心をお伝えするのが一番だと思いますので、御紹介させて頂きたいと思います。少々長くなりますが、ご笑覧頂けたら幸いです。

            今回の企画は、同地における私個人の震災の記憶を大きく揺さぶられる出来事が、近年で立て続けに起きたことがきっかけとなっています。

            ひとつめは、皆さんもおそらく御存じの「鉄人28号像」が新長田駅近くに建ったことです。



            【鉄人28号像 2010年5月1日 筆者撮影】


            この像が建った2009年当時より、私の中で非常に「微妙な違和感」がもやもやと湧きおこってきました。当時は、その違和感が意味するところはよくわからなかったのですが、年数を経るにつれ、その違和感が徐々に輪郭を形作っていきました。


            それは、同像が、長田における「震災の復興」をシンボライズするものとしてメディアを通して語られ、また同地における市政や観光が語られる上で、不可欠の対象となっていったからです。そうしたかたちで同地における「復興」が進み、語られ、表される過程を、わたしは、一人の被災経験者として複雑な想いでみつめてきました。


            1995年1月17日以降、16年以上にわたって、長田という町は、常に「震災」/「復興」と共に語られ、また、表されてきました。震災後に郊外へ移り住み、同地を久方ぶりに訪れた大学生の頃、同地のある商店街でまちの活性化に関する事業にボランティアとしてお世話になっていたとき、商店主の方々が口ぐちに仰っていた、「震災」をめぐる「負のイメージ」をなんとか払いたい、といわれていたことに衝撃を受けました。震災復興計画に指定された再開発エリアに建った簡素なビル群。止まらない人口流出と高齢化。そうした中、同地で生活を再び立てていこうにも、商売することすらままならない状況があったのです。私が御世話になっていた当初(2005年-2006年頃)はお好み焼きやソースといった地域資源を動員しながらまちづくりが行われていたのですがそれらも振るわず、(それまで地域での文脈には必ずしも登場してはいなかった)「三国志」のような横山光輝作品によるまちおこし戦略へとシフトされていくちょうど過渡期の時期でした。


            その後、私は大学院へ進学し、同地のまちづくり現場からは離れることになったのですが、この商店主たちやまちづくり事業者の人びとの仕事の延長線上で「鉄人」が建ったことは間違いありません。そしてそれが報道の題材となったことにより、長田を語り、表すイメージが、大きく変容していったのは確かです。現在、「鉄人」は神戸観光のルートにも指定されたり、市主催のマラソンルートにも組み入れられようとしています。今後も神戸の長田を語る上で、必要不可欠な資源とされていくのは間違いないでしょう。こうした「復興」モデルは、3.11以降の社会を考える上でも、示唆に富むものかもしれません。

            けれども、そうした動きを見せるジモトに対する私個人の感情はと言えば、すごく複雑なものです。今も現地における生活を成り立たせしめるためには、消費による資本を落とさなくてはならない。復興にむけた人びとの思考錯誤や実践の結果、選択されたのが、震災以前にはまったく同地に関係のなかったあの「鉄人」。にもかかわらず、それが、「震災復興のシンボル」として語られ、表されていくことにより、「震災の復興」は語られても「震災の記憶」が語られ、表されなくなっていくことへの違和感・・・。「鉄人」を中心に「長田」が語られだすことで、私の中にはそうした「もやもや」が、生まれてきたのです。

            もうひとつは、NHKで2010年1月17日に放映された『その街のこども』という作品(井上剛監督)が、映画化されるまでの反響を呼んだことです。(この映画と震災の記憶をめぐっては、既にカルタイ関連企画として神戸大学国際文化学部塚原研究室の皆さんが取り組まれたこともあるので、詳しくは過去ログ等を参照してください。 http://blog.cultural-typhoon.com/?eid=6 )


            この作品を通じて、私のような年代の被災者が、どういったかたちであれ「表象」されたことが、同地における「震災」をめぐる記憶を喚起させたのでした。新長田駅周辺の映画館で同作品を鑑賞した後、私は映画の登場人物らのように思わずジモトの街を歩きだしてしまったのですが、そうした行為に依って思いだされたのは、とても個人的で、かつ、とても具体的な場所や街角に根差した友人や親せきたちとの「記憶」でした。それは「ひとまとめ」の集合表象としての「震災(復興)と長田」というイメージからは、漏れ落ちてしまわざるを得ないような、ささやかすぎるほどのエピソードでした。
             

            これらの出来事は、長田という街をめぐる「イメージ」と個人の「記憶」のあいだに横たわる大きな落差の一端を、いわば“震災の一当事者”的に感じさせる「微妙な違和感」として私には経験されたのでした。今回のカルタイ企画では、このように感じた「街のイメージ」と「記憶」をめぐる「違和感」を、個人的感情に留まらせず、神戸長田という街にかかわりのある様々な集団に属する一人一人の方にとっての「まち」と「記憶」にフォーカスを当ててみたら、どうなるのだろうか、ということを試みるものです。


            人びとが災害後や戦災後の社会を精一杯に生き抜く過程で構築したイメージによって、人びとの記憶の社会的排除が行われてしまうものだとしたら、それがどういったかたちで展開してきた(いる)のでしょうか。このトーク企画によって、神戸という都市の周辺に位置する長田と、その更に周辺で生きてきた人びとの記憶をめぐる、そうしたポリティクスの数々が示されるのではないかと思います。また、私たちによって語られる/表される人びとの記憶を、トークや報告といった形式を通じた「記録」としていかにしてまとめていくことができるのか、という論点も、大きな課題だと思います

            私たちの研究会のプロジェクトは、(私個人にとっては)こんな風な関心からはじまっていったものでした。当日は、実際に神戸長田を訪れたことがある方や直接足を運んだことがないという方もはじめ、なにより神戸やジモト・長田の人びとの来場を歓迎いたします。拡大地図も用意してお待ちしていますので、具体的な場所と、そこでの思い出について語ってもらえたりしたら、嬉しいです。研究会のメンバー一同、お待ちしております次第です。


            長文の紹介、失礼致しました。

            明日からはいよいよ本番ですね。

            会場にお越しになられるみなさまとお話できる機会を楽しみにしております。

             

             


            新聞記事&記者会見動画UPします!

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              ブログ担当の市野です。



              カルチュラル・タイフーン2011、いよいよ明日が本番!

              小笠原研究室では深夜まで最後の追い込み作業が続いております。

              今日は朝から、会場の設営です。

              んんんんんんんっ!!じわりじわりとテンションがあがってきています!

              (学部生が「テストがやばい・・・」と嘆いている、なんてことはありませんよ!)



              さて、

              昨日おとといとカルタイ2011についての記事が

              神戸新聞および毎日新聞に掲載されましたのでご紹介いたします!






              神戸新聞 2011年7月21日 朝刊






              毎日新聞 2011年7月21日 夕刊




              プレス関係者のみなさま、ありがとうございます!




              もうひとつ、

              先週の金曜日にセンターにて行われた記者会見の動画をYouTubeに掲載いたしました!

              http://www.youtube.com/watch?v=vPZ12CAtp4g
              (ショートバージョン)

              少々長いですが、今年のカルタイのコンセプトなどを分かりやすく

              ご紹介しているので、ぜひぜひご覧ください!





              こちらはロングバージョンです。

              1 カルチュラル・タイフーンについて 実行委員長 小笠原先生
              http://www.youtube.com/watch?v=eWryOeRBee0

              2 2011年神戸について 事務局長 栢木さん
              http://www.youtube.com/watch?v=E-jQnnXJRTs

              3 「人々を巻き込んでいくカルチュラル・タイフーン」ブース担当 鋤柄さん
                 共催団体の皆さま
              http://www.youtube.com/watch?v=q8EWI56N1VM

              4 「多文化共生」について 実行委員 鈴木先生 
                 質疑応答1
              http://www.youtube.com/watch?v=uFWr8hMXYng

              5  質疑応答2
              http://www.youtube.com/watch?v=bcbWq5PH9rY





              さあ、もうひと踏ん張り!

              ブログ担当 市野





              THE BIG ISSUE ブースからPR記事をいただきました!

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                ブログ担当の市野です。

                本日は2階多目的室にて、THE BIG ISSUE のブースを出展される井沼さんからPR記事をいただきましたのでご紹介いたします。



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                こんにちは!THE BIG ISSUE ブースを出展する井沼です!とうとうカルタイが明後日に迫ってきましたね!出展なさるみなさん、進行状況はいかがでしょうか?私は今回カルタイ初参加なので、多種多様な分野のブースや発表があると聞いてとても楽しみです!ブログ記事を読ませていただきましたが、雑貨屋さんもとっても素敵そう…!^^

                 


                さて、私たち
                THE BIG ISSUEブースの進行状況ですが、スタッフは各自、THE BIG ISSUEのボランティアに参加させて頂いています。先々週はホームレスの方々が毎週やっているフットサルの練習に参加してきました!


                THE BIG ISSUE
                はホームレスワールドカップという、ホームレスだけが選手として参加できるフットサルの世界大会を行っています。日本も野武士ジャパンというチーム名で参加していて、この夏パリで大会だそうです!


                私たちが実際に一緒に練習したホームレスの方々もパリ大会をとても楽しみにされていました。練習には、ずっとオヤジギャグを言い続けるおっちゃんホームレスや、黙々と練習する若者ホームレス、住職というあだ名のまる刈りホームレスなど、個性豊かで陽気な方々もたくさん参加していて、かなりにぎやかでした。みなさんも是非参加してみてください!

                 

                そうした、THE BIG ISSUEで行っている活動を紹介した小冊子の配布や、実際に販売員の方をお呼びして、普段と同じように販売をしていただいたり、バックナンバーをゆったりおちつく特製ソファでお読みいただけるスペースを用意したりなど、盛りだくさんの内容で準備しています。

                 

                もちろん、THE BIG ISSUEの販売の醍醐味である、販売者さんとの楽しいトークも、いつもより楽しんでいただけると思います!

                 

                今回のブース出展に際し、なんとTHE BIG ISSUEさんのご厚意により、ビッグイシューさんの公式ホームページのトップページにてカルタイの紹介文を載せていただいております。それだけでなく、神戸一帯で雑誌を販売されている販売者さんに、雑誌販売時に同時にフライヤーもお配りいただけるというご好意にも預かっています。


                 

                THE BIG ISSUEさんによるブース出展に関する多大なお力添えに感謝するとともに、みなさんと当日、お会いできることを楽しみにしています!

                 

                それでは詳細はカルタイ当日THE BIGISSUEブースにて♪











                tabisl bazar さんからPR記事をいただきました!

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                  ふたたびブログ担当の市野です。


                  つづいて、
                  2階多目的室にて雑貨販売をされる tabisl bazar さんからいただいた
                  PR記事をご紹介いたします。

                  カルタイでは tabisl bazar さんのように雑貨などの物品販売を行われる方々も参加されます。



                  **********************************************************


                  こんにちは、tabisl bazarです。

                  タビスルバザールと読みます。

                   
                  世界各地で買い付けたり、作家さんに作って頂いたり・・
                  私たちの感性にビビっときたものたちを集めた雑貨屋です。
                   
                  大学時代に、主催者の小笠原先生の元でカルチュラル・スタディーズを学んでいたことがご縁で、
                  カルタイに参加させて頂きます。

                  私たちの商品の一部をご紹介すると・・


                  京都のステンドグラス作家・sippoさんと作ったオリジナルサンキャッチャー。
                  窓辺につるすと、太陽の光をさんさんとキャッチしてきらきら輝きます。
                   

                  香港の街かどで見つけたブリキのおもちゃ。
                  レトロな風合の哀愁ただよう水平さんがくるくる勢いよく回ります。
                   

                  chuBBieさんのお花が咲いたようなピアス。
                  海外のヴィンテージ生地や部材を使って、1つ1つ手作りで作られています。


                  こちらはオランダのkitch kitchenというブランドのミニバッグ。
                  オイルクロスという、とても丈夫で水や汚れに強い生地でできています。
                   

                  すべて、いろいろなご縁で出会えたかわいい雑貨たちであると同時に、
                  わたしたちがtabisl BAZARを始めるきっかけとなった、
                  「物語のある雑貨」たちなのです。
                   
                  カルチュラル・タイフーンという場で、
                  わたしたちの生きる世界を再確認し、
                  さらなる継続的な思考と行動をパワーアップさせたいと思います。
                   
                  パネルやグループワークの合間に、ぜひお立ち寄りください。
                  また新たな出会いがたくさんあることを楽しみにしています。
                   
                  日々のいろいろはこちらでもこっそり綴っていますので、
                  blogも是非のぞいてみてくださいね。




                  Exhibitor Booth Description (Family Photography: Hidden Absences and Constructed Meanings through the Phatic Dimension of Communication)

                  0
                    ブログ担当の市野です。

                    Patricia Prieto Blancoさんからブースの紹介文が届きましたので、
                    ここに掲載させていただきます。

                    なおPatriciaさんには、ギャラリー1でのブース出展とともに、
                    24日の13:30-15:00にパネルルーム4で開かれるパネルセッション、
                    「映像化される歴史、不可視化される記憶」でも発表をしていただきます。


                    Hi there,

                    I'm Shin'ichiro Ichino, the blog staff of CT2011.

                    Posted here is the booth description by Ms. Patricia Pieto Blanco.

                    Instead of merely exhibiting her photographic work (Family Photography: Hidden Absences and Constructed Meanings through the Phatic Dimension of Communication), she will also talk about her project in the following session.

                    Time: July 24th (Sun) 13:30-15:00  
                    Venue: Panel Room 4
                    Session Title: Visualised History, Invisiblised Memory



                    ***********************************************************

                    As requested by the organization of Cultural Typhoon few days ago, here is a brief presentation of what I'll be showcasing at the conference this weekend.

                     "They (images) do not exist by themselves, but they happen; they take place whether they are moving images (where this is so obvious) or not." (Belting, 2005: 302). 

                    During my childhood, summer holidays meant three months living in a tiny cottage along with my entire extended family. Adults were allowed to leave the premises every day and go to town, but my cousins, my sister and I remained there. My grandma was there too along with all of her family photographs: on the mantel over the fireplace, on the wall at the entrance. And her albums too, far away from our hands, on the top of the hutch in the living room. 

                    In my grandma's album there were next to the "better" shots of the family, which depicted everyone smiling at the camera and whose aesthetics qualities didn't include bluriness or cut extremities, those that had been trimmed for diverse reasons. Sometimes it was obvious that the aim was to get a picture of a family member standing alone, but looking closely there was another much more irrititating pattern throughout the whole album. A concrete person's head had been removed again and again as if my grandma had tried to expiate the family archive of this person's inffluences and effects on the colectivity. 

                      
                    photo by Jake Lange

                    The aim of this approach to my own family photography is to highlight the relevance of the variables that I use in my theoretical research on the matter: interaction and space. The prospective visitor will have to engage  him/herselfactively. And yet this desired participation won't allow any close access to my grandma's family archive, but the construction of a shared set of experiences around the main topic: family photography. Alone the wish to produce, yet to posses, photographic pictures, implies a social dimension of photography  which is never free of meaning and therefore depends on grammar to sucess.

                     

                    Belting, Hans (2005): "Image, Medium, Body: a New Approach to Iconology." In: Critical Inquiry, Nr. 31, Winter 2005. Chicago: Chicago University Press, S. 302-19) 

                     

                    7月23日・24日の「C.A.P. Dining Deli」の営業についてのご案内です。

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                      みなさま、こんにちは。ブース担当の藤墳智史(ふじつか・さとし)です。いよいよカルチュラル・タイフーンの本番が今週末に近づきました。

                      会場の海外移住と文化の交流センターには、1階東側にC.A.P.さんが運営されているカフェ「CAP CAFE & SHOP Y3」が設けられていますが、カルタイ期間中の23日・24日はカフェに加えて、会場のすぐ裏手(北側)の別館にて、「C.A.P. Dining Deli」と銘打って、C.A.P.さんが食事や飲み物を提供してくださいます。

                      「C.A.P. Dining Deli」でのメニューと料金は下記のとおりです。

                      食事
                      チキンカレー……600円
                      牛丼……600円

                      飲み物・お菓子
                      生ビール……400円
                      アイス珈琲……300円
                      ドーナツ……120円

                      別館の「C.A.P. Dining Deli」の営業時間は12時から16時まで、カフェ「CAP CAFE & SHOP Y3」の営業時間は11時から19時までです。

                      なお、チキンカレーはインド音楽演奏・研究家のHirosさんが担当されます。また、先日、牛丼の調理の予行演習にもお邪魔してきましたが、こちらもとても美味しそうでした。




                      予行演習の際に完成した牛丼です。↑ 当日はトレーは付きません。器・箸も別の物で提供される予定です。紅生姜は各自お好みでトッピングしていただく形になりそうです。


                      ※基本的に館内での飲食は禁止となっております。予め決められた所定の場所(カフェもしくは別館)以外での飲食はご遠慮くださいますよう、よろしくお願いいたします。


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